皆さんAPD(聴覚情報処理障害)という障害をご存知でしょうか?
後ほど解説しますが、ざっくり言うと音が聞こえても言葉の処理をしきれず、理解が困難なことを指します。
※2021年9月現在では脳の神経機能の問題などが原因とも指摘されていますが、詳しい原因はわかっておらず、明確な治療法もありません。
このAPD(聴覚情報処理障害)という障害は、2018年からNHKに取り上げられ日本でも少しずつ話題になっており、筆者の肌感でいうと2021年に認知度がようやく上がってきたかなと思いました。
また私もAPDを軽度ではありますが持っている人間なので、「自分もそうかもしれない!」と気づいて少し楽になる方がいれば嬉しいです。
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APDに向いている仕事5選を紹介&解説します!
目次
- 1 APD(聴覚情報処理障害)とは?
- 2 APDあるある16個まとめ
- 2.1 横や後ろから話しかけられると聞こえない
- 2.2 居酒屋やクラブ、工事現場の近くなどうるさい場所では相手の話がわからなくなる
- 2.3 雑音が多い場所に長時間いると、頭が疲れる
- 2.4 長い話を聞くと理解が難しくなる
- 2.5 複数人が同時に会話していると理解できない
- 2.6 聴力検査では正常と出る
- 2.7 話についていけずに相槌を打つと、話を聞いてないと思われる
- 2.8 先生の声が聞き取れずに黒板や教科書で判断する
- 2.9 曲を聞いても歌詞が初見では聞き取れない
- 2.10 内緒話や早口も聞き取れない
- 2.11 何度も聞き返して呆れられる、または怒られる
- 2.12 電話やテレビ会議で相手が何を言っているかわからない
- 2.13 話している人の口元を見ないと理解できない
- 2.14 発音に問題が生じる
- 2.15 画面に字幕がないと意味が理解できない
- 2.16 マスクや仕切りがあると聞き取りづらい
- 3 APD対策は?
- 4 まとめ
APD(聴覚情報処理障害)とは?
APD(聴覚情報処理障害)とは 下記のように難聴と似た特徴に思われますが、「聴力検査をしても異常がない」というのが違いです。またその障害をもつ潜在的な患者数は、推定240万人にものぼると言われており、日本人の約2%が該当します。
APDの特徴
- 聞き間違いが多く、聞き返すことも多い
- 聞くよりも、見る情報の方が処理しやすい
- 相手の話が長くなると理解が困難になる
- 雑音やBGMが聞こえると、相手の話していることの聞き取りが難しい
- 口頭での指示を忘れてしまったり、理解しずらい
APDあるある16個まとめ
人によって症状はそれぞれなのですが、いくつか当てはまった方はAPDがあるかもしれません。
APDあるある
- 横や後ろから話しかけられると聞こえない
- 居酒屋やクラブ、工事現場の近くなどうるさい場所では相手の話がわからなくなる
- 雑音が多い場所に長時間いると、頭が疲れる
- 長い話を聞くと理解が難しくなる
- 複数人が同時に会話していると理解できない
- 聴力検査では正常と出る
- 話についていけずに相槌を打つと、話を聞いてないと思われる
- 先生の声が聞き取れずに黒板や教科書で判断する
- 曲を聞いても歌詞が初見では聞き取れない
- 内緒話や早口も聞き取れない
- 何度も聞き返して呆れられる、または怒られる
- 電話やテレビ会議で相手が何を言っているかわからない
- 話している人の口元を見ないと理解できない
- 発音に問題が生じる
- 画面に字幕がないと意味が理解できない
- マスクや仕切りがあると聞き取りづらい
横や後ろから話しかけられると聞こえない
突然横や後ろから話しかけられると、聞こえないことも多く無視したと思われがちです。
音を認識しても自分に話しかけたと思わないため、そのままGOしてしまうことも多い。。。
居酒屋やクラブ、工事現場の近くなどうるさい場所では相手の話がわからなくなる
居酒屋やクラブなどではBGMや人の声が邪魔して、相手の言っていることが理解できず会話が困難になります。
工事現場の近くでも騒音が耳に入ってしまうので、なるべく静かな場所に行きがち。
雑音が多い場所に長時間いると、頭が疲れる
雑音が多い場所に長時間いて、その上で人と会話をしていると脳をより多く使ってしまい疲れます。
APDの人は処理できなかった言葉を前後の文脈から推測する癖がついていることが多い(というかそうしないと会話できない)ので、健常な人よりも会話するだけでの疲労が多いです。
長い話を聞くと理解が難しくなる
長い話を聞くと、時間が経てば経つほど理解することが難しく、結局何が言いたかったんだ?という風になって終わってしまいます。
これは要点がまとまっていたり、スライドなどで視覚情報の補足があるとすこし助かります。
ですが、基本的にAPDは聴覚からの情報の処理にワーキングメモリを多く使ってしまうため、なるべく短く簡潔に話がまとまっていると良いです。
複数人が同時に会話していると理解できない
会議などで複数人が会話している場所では、時折複数人の言葉が重なり前後の文脈からの推測ですら困難になります。
そのため議事録を取る係になると大変です。
聴力検査では正常と出る
APDの方は耳そのものが悪いのではないかと、耳鼻科で聴力検査を受けることがありますが正常と出ることが多いです。
その場合の聴力検査は純音聴力検査というもので、もちろんAPDは音は聴こえているのに情報が処理できないので検査に引っかかりません。
またアメリカなどではかなり認知されていますが、日本では、まだ一部の耳鼻科医にしか知られていないため、「気のせい」「精神科に行ってはどうか」などと言われることもあるケースが確認されています。
話についていけずに相槌を打つと、話を聞いてないと思われる
会話がスムーズに行かずに人間関係が悪くなることを恐れて、相槌を打ってしまうことがあります。
もし相槌が噛み合っていないことが増えると、相手に話を聞いていないと思われて逆に人間関係を悪くしてしまうことも、、、
先生の声が聞き取れずに黒板や教科書で判断する
学校の授業などでは、先生は声が聞こえるのかどうかで声量を決めていると思います。
ですがAPDの人は聞こえてはいるが、周りの環境(他の生徒の声など)によって聞き取れるかが変わるので結果的に黒板や教科書での視覚情報に頼ってしまいます。
何度も先生に聞き返すと印象悪いですし、授業は複数人で受ける前提がほとんどなので言えなくなります。。。
聞こえると聞き取れるは違うということを先生は知っておくだけでも大切ですね。
曲を聞いても歌詞が初見では聞き取れない
音楽はBGMと言葉が重なるので、初見では歌詞を全て聞き取ることは困難です。
またもし歌詞を見ても、初見では情報量が多いため結局何のことを歌っていたのか分からなくなります。
ざっくり恋愛系だな〜とかでしか判断できず、具体的にどういう状況での恋愛について歌っていたのかは理解できない状況です。。。
内緒話や早口も聞き取れない
ささやき声での内緒話や早口も苦手です。
内緒話などは聞き返すなどしてその場で何度も言いたくないですし、相性が悪いですね。
何度も聞き返して呆れられる、または怒られる
職場や学校などでコミュニケーションを取る際に、どうしても話の要となる部分が聞き取れなかったときに何度も聞き返して呆れられたり、怒られたりします。
APDのあるあるなんですが、名詞が抜け落ちて聞こえたり、初見の言葉(ビジネス用語など)が聞き取れなかったりするので、かなり困ります。
電話やテレビ会議で相手が何を言っているかわからない
電話やテレビ会議では、通信状況などにより対面よりもさらに会話の難易度が上がってしまいます。
話している人の口元を見ないと理解できない
これもAPDの人のあるあるとして多いのですが、耳で聞き取れないときに文脈と同時に口元を見て推測します。
これは母音によって言葉が推測ができるため便利です。
例)チョコレートの話をしてるときに「え・い・い」という口の動きが見えたら「め・い・じ」だなと推測しやすい。急に「せ・い・じ」とかのワードは出ないですよね。
ただし、口の動きが小さいお年寄りの方などには通用しないのでなんとも、、、
発音に問題が生じる
騒がしい場所だと、聞き取りづらくなるのは実は自分の声もなんです。
そのため、今自分がどんな発音で話しているのか分かりづらく、調整が上手くいきません。
居酒屋で酔って呂律が回らなくなると最悪ですね、、、
画面に字幕がないと意味が理解できない
これは結構重いと思いますが、ドラマや映画で字幕がないと理解が困難です。
映像で分かりやすく描写していると推測しやすいんですが、急展開が続くと情報の処理が追いつかない、、、
マスクや仕切りがあると聞き取りづらい
コロナでマスク着用が義務付けられたり、透明な仕切りを介して話したりするようになって、より聞き取りづらくなりました。
APD対策は?
APDには下記のような対策が無難なのですが、職場や学校などで中々変えづらい部分はあると思います。
その中でも少しでも努力することによって、APDの認知が広がるとより生きやすい世の中になるかもしれません。
APDの対策
- 複数人で会話するよりも、一対一で会話する機会を増やす
- 静かな場所を選んで会話をする
- 本などのテキスト中心の教材を使って視覚情報を駆使して勉強する
- テレビ、音楽など、誰かと話すときは消すか、音量を下げる
- 話し相手の方になるべくゆっくりはっきり話してもらう
まとめ
上記全て当てはまらなくとも、APDを持っている方は日本で240万人いると推測されています。
一度自身の過去を振り返ってチェックしてみてください。
もし自分がAPDだと思った方は、環境を改善してみたり、別の環境に飛び込んでみるとより自分にあった生き方を選べるかもしれません。
私自身もAPDに悩んでいたので、これからもAPDについて発信していこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!